私の受験体験記
大型二輪(限定解除)
種別 |
取得年月 |
受験時 年齢 |
受験回数 |
試験場 |
| 大型二輪 (限定解除) |
84年8月 | 17歳 | 3回 | 東京 府中 |
1.受験のきっかけ
私の通っていた高校は都立でありながら、自動車運転免許に関しても特に取得制限がなく、比較的自由な校風であった。
高校1年の時、「絶対に50ccのバイクしか乗らないから原付の免許だけ取らせてくれ」と親に頼み、原付免許を取得。50ccのバイクに乗り始めた。
その時は本当に50ccで十分と思っていた。
しかし、しばらくして身近な友人が中型二輪(現普通二輪)に乗り始めると、やはり自分も欲しくなるものである。
貯金をかき集め、親に内緒で教習所に通って「自動二輪中型免許」を取得し、バイクも親に黙って友人から買った。
当時、限定解除(現大型二輪)は教習場での取得は出来ず、試験場での技能試験で合格する以外取得の方法はなく、その試験も「最難関試験」と言われ、高校生の我々にとっては夢の免許であった。
しかし、ある日、”あまり二輪の運転が上手くない”と言われていた仲間が「限定解除に合格した」
「あいつが合格できるんだったら、みんな合格できるんじゃないか?」というニュースが流れた。
若者は単純である。そのニュースをきっかけに、私を含めたバイク仲間に限定解除チャレンジのブームが巻き起こり、私の受験も始まった。
しかし、実際に合格するのはそんなに簡単ではない。
最初の難関は、「どうやって試験官に気に入られるか?」であった。
えっ?と思われる読者もいるかと思うが、当時の試験官は”かなり”態度が横柄であり、受験生を見下す態度を取っていた。
(今もあまり変わらないらしい)
「高校生か?何しに来たんだ?」
「免停の履歴があるな。おまえ暴走族だろ?」
「おい!そこの待っているヤツ!おまえだよ、おまえ!ヘルメットを逆さに置いといたら転がっていくだろ?そんなこともわからないのか?帰れよ!」
と言う具合に、試験車に触る前からその日に試験結果が決まってしまうことも普通であった。
たとえ試験コースに出ても採点は各試験官の裁量によるので、どんなに技能があっても試験官には不合格にするネタはいくらでもあるのである。
当時は特に「暴走族」が毎日のようにニュースになっていて、世間でも
「高校生+バイク=暴走族=危険」
と考えられていたので、高校生の受験生には試験官の対応もより一層厳しく、横柄だった。
でも、どんなにいやな試験官でも、試験官から合格をもらわなければ「限定解除」は取れない。
我々の受験仲間では、以下の"試験官対策"が必須とされ、みんな守っていた。
1)ヘルメットは新品の白のジェットへルを使う
(派手なフルフェースや傷だらけのヘルメットはダメ)
2)キレイな革のバイクグラブを使う(軍手はダメ)
3)キレイなバイクブーツを履く(運動靴はダメ)
4)開始時に「よろしくお願いいたいます!」と大きな声でする
5)試験終了時には合格の有無に関わらず「ありがとうございました」と大きな声で挨拶し頭を下げる。
6)受け答えは「はい」「わかりました」と大きな声でする。
7)待っている間は待機所の一番前に直立し、他の受験生の走りを見る。ヘルメットは足元に転がらないように置く。
要は、「私は超真面目な高校生です」「暴走族になんて絶対なりません」という印象を与えることが大切であった。
試験官による採点のバラツキも大きく、「高校生は合格させない」ことで有名な試験官もいて、その試験官にあたった日には、「練習日」として諦めるしかなかった。
私は、「免許停止90日」の履歴印が免許の裏に押されている最も仲の良い友人Kくんと一緒に受験をはじめた。
私が受験3回目で合格した日に、友人Kも受験したが不合格であった。
試験場に応援に来ていた仲間全員が
「お前よりKの方が間違いなく上手く乗れている」
「おまえが合格でKが不合格であるのは免停履歴以外にありえない」
と口をそろえて言っていた。私自身もそう感じていた
当時の合格率は2%と言われていて、私が合格した日も大型(限定解除)の合格者は私ひとりであり、いろいろな意味で「難関試験」であったのは事実である。
その翌年(だったかな?)「歌手の近藤真彦が府中にて限定解除に1回で合格!試験官と一緒に記念写真を撮った」と言うニュースを聞いた。
近藤真彦がどれだけの腕前なのか知らないが、試験官の裁量採点に対する私の不満はさらに増した。
技能以前に試験官とどう上手くつき合うかは今も大事なポイントだと思う。
3.試験結果
1回目・・・不合格。緊張して1本橋で脱輪
2回目・・・不合格。完走したが試験官から「メリハリが無い」とのフィードバック
3回目・・・合格。「良く乗れていた」とのこと
4.合格の為のキーポイント
1)スタートから1本橋までで合否はほとんど決まる。
府中の場合はスタート後、すぐに課題コースエリアに入り「1本橋」「波状路」「スラローム」を行う。
(現在は波状路とスラロームの順番が入れ替わっている)
@安全基本動作
A課題コースエリアまでの短い距離でのメリハリあるアクセルワーク
B1本橋前にS字小回りをして入り込む時の車体の取り扱い
この3点で受験生のレベルは分かると言われている。
ここを完璧にこなすことにまず集中する。
2)メリハリあるアクセルワーク
合格者の加速、減速メリハリは明らかに不合格者のそれとは違う。
試験コース終盤に発着点前のストレートを金網目指して50kmまで一気に加速し、ポンピングブレーキで急減速、金網前で右カーブし、滑らかな手順で障害物を回避通過する一連の流れは、金網に張り付いて見ている多くの観客にとって迫力がある部分であり、合格者は全員この部分でメリハリがある。
1)日頃からの安全基本動作
安全基本動作は日ごろから練習すること。二輪車はもちろん自転車に乗っていても習慣化する。
試験時には基本動作を考えている余裕は無いと考え、身体が勝手に出来るようになるまで練習する。
・乗車
・発進
・進路変更
・左折、右折
・交差点通過
・踏み切り通過
・坂道発進
2)徹底的な小回り練習 (これ、効果的です)
二輪車はアクセルを閉めると車体が倒れて、アクセルを開けると車体が起き上がる特性を持っている。
ハンドルをフルステア(完全に右または左に切る)の状態でアクセルワークだけで 小回りが続けられまで徹底的に練習する。
一般的な人は右回りが苦手らしいが、左右それぞれ練習し、さらに8の字小回りをマスターする。
この練習の効果は絶大です。なぜかと言うと、
1)1本橋手前へのS字小回りでのアクセスが容易になる。
(ここ、合否の分かれ目)
1本橋手前に車体を真っ直ぐに停車させることができれば、1本橋進入も容易となる
1本橋手前で車体を真っ直ぐ停車できない人が意外と多い。
2)スラロームをアクセルワークでリラックスして通過できる。
3)S字はもちろん、クランクの通過も楽勝になる。
私の場合は400ccのバイクを持っていたので、空き地で徹底的に小回り練習をしました。
何十回バイクを転倒させたことでしょう。
でも小回り時はスピードが出ていないので、グリップエンドに傷がつくくらいでバイク本体へのダメージはあまりないのです。
もちろん、練習時にはミラーは外しておきます。
3)前回不合格であった点の反省と克服
復習をしなければ、何度受験しても同じ失敗をします。
私の場合、1回目は1本橋で失敗したので、その後は道路の白線の上での1本橋練習を徹底的に繰り返しました。
白線上(幅約15cm)でのスロー走行が出来るようになれば、試験場の1本橋(幅役30cm)は容易です。
キーポイントは以下の3点です。
@ニーグリップ
A遠方への視線
B後輪ブレーキでのスピードコントロール
4)コースは丸暗記する
ミスコースは減点にはなりません。
ただし、コース復帰までの走行での減点要素は採点対象となります。
ミスコース時にコースに戻るためには想定していないコースを走行しますので、ミスコースで動揺した中で、減点要素無くコースに戻る事は不可能と考えた方が良いと思います。
夢の中でも走行できるほどコースは暗記しましょう。
ちなみに私は受験後15年たった今でも府中の試験コースを覚えています。
「波状路」と「スラローム」の順序が入れ替わった以外は今でもまったく15年前とコースが変っていないんです。
現在は当時と違って、WEBに多くの有効な受験体験記が出ています。
受験生にとってこんなにありがたい情報はありません。ぜひ有効活用してください。
府中で受けるのであれば、私の一番のおすすめはこの攻略ガイドです。
コースをアニメーションで走行しながらキーポイントを学べます。
また、ライダーの目線での大型二輪コース走行ビデオも提供されています。
こんなすごいツールが15年前にあったら私も1回で合格できたかも(?)知れません。
作者さんありがとうございます。
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